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2024.09.07

  • コラム

歯科医師がしんどいと感じる理由とは?そう感じた時の対処法や辞めたくなった時の解決法について解説

歯科医師 しんどい

Writer

高橋 翔太

医療法人社団しん治歯科医院 COO 兼 事務長
日本で唯一のストック型歯科医院専門コンサルタント兼歯科医院の経営者

歯科医師にも、日々勤務をこなす中で「しんどい」と感じることがあります。歯科医院の院長としてのしんどさや勤務医としてのしんどさなど、同じ歯科医師でも立場によってしんどいと感じる理由は異なるものです。

本記事では、歯科医師がしんどいと感じる理由を中心に、しんどいと感じた時の対処法や辞めたくなった時の解決法などをまとめました。

歯科医師がしんどいと感じる理由

歯科医師 しんどい

本項目では、歯科医師はなぜしんどいと感じるのか、その理由を紹介します。

仕事量がとにかく多い

歯科医師は基本的に患者の治療を行っていきますが、予約でいっぱいの状態だと予約できた患者の治療が全員終わるまでは仕事を終えられません。口の中の状態は人によってバラバラで、中にはかなり時間を要するケースもあります。予想以上に時間がかかり、休憩がとれないことも珍しくありません。

開業医の場合、患者の治療だけでなく、経営や管理の仕事もしなければならず、すべての仕事を終えるころには夜遅くになっていることもあり得ます。仕事量がとにかく多いため、ふとした時にしんどいと感じても致し方ないでしょう。

体力勝負になりやすい

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歯科医師は常に同じような姿勢で治療を行い続けるため、肩こりや腰痛、眼精疲労は歯科医師の職業病と言われています。途中で休日を挟んでもリフレッシュするには短すぎるため、常に職業病と闘いながら仕事を行わないといけません。

若いうちは回復しやすく、さほど気にしなかった人もいたかもしれませんが、年齢を重ねると疲労が残りやすく、次第に毎朝起きた時にしんどいと感じ始めます。体力勝負になりやすい分、体のケアを気にする歯科医師も多くいるはずです。

知識のアップデートが欠かせない

歯科医療は日々新たな技術が生まれており、新しい治療法も誕生しており、これらに対応できるかが重要です。休日には歯科医療に関する勉強会なども開催され、参加しないといけないケースもあります。

歯科医師の国家試験に合格したら、もう勉強はしなくていいことはもちろんなく、常に学び続けなければなりません。日々の業務に追われる中で、知識のアップデートもしなければならないタイミングにおいて、歯科医師はしんどいと感じやすくなります。

患者やスタッフとのコミュニケーション

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歯科医院は狭い空間の中で歯科衛生士や歯科助手、そして患者とコミュニケーションを取っていきます。歯科衛生士や歯科助手がミスをしたり、手際が悪かったりすると、患者のために厳しく注意しなければならないことも出てきます。

また、歯を大切にしない患者に対して、言ったことが伝わっていないのかもしれないと徒労感が募ることもあるでしょう。患者やスタッフとコミュニケーションをどのようにとっていけばいいのかわからなくなり、1人だけの時間になった時にしんどく感じることが出てきます。

収入が少なく感じる

歯科医師の仕事は年収がいいとされていますが、勤務医だと将来的な開業のためにお金を手元に残さなければならず、収入が少なく感じることがあるでしょう。開業医であれば借金返済から、器具の支払いなど、さまざまな経費によってさほど手元に残らないこともあり得ます。

一生懸命働いても手元に残るお金がそこまで多くないと、「何のために働いているのだろうか」と不安になりがちです。その流れでしんどいと感じることも出てくるでしょう。

歯科医師がしんどいと感じた時の対処法

歯科医師 しんどい

さまざまな理由からしんどいと感じた場合に、歯科医師はどのような対応をしていけばいいのか、本項目では、しんどい時の対処法をまとめました。

歯科医師仲間に相談する

歯科衛生士や歯科助手、患者とのコミュニケーションや歯科医院の経営などさまざまなことで歯科医師は悩みます。悩み過ぎてしんどいと感じたら、歯科医師仲間に相談して対処法を聞くのがおすすめです。他の歯科医師も同じような経験をしているので、それぞれの歯科医師の体験談などを聞けます。

その中で、参考になりそうなアドバイスを取り入れて、改善を図っていくことで仕事がしやすくなり、しんどいと感じる局面を減らせるでしょう。

自由診療に力を入れる

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自由診療は保険を使わずに診療できるため、歯科医院が自由に値段の設定が行えます。インプラントやホワイトニングなど、スキルや知識が問われやすいジャンルにおいて、技術を磨き、実績を重ねていけば自由診療で収入を増やすことは可能です。

自由診療で行える治療の種類をどんどん増やしていき、多彩なニーズに応えられるようにすることで、より多くの患者を確保できます。

歯科に特化したコンサルタントを活用する

歯科医院の経営や管理などに困っている開業医におすすめなのが歯科に特化したコンサルタントの活用です。歯科に特化したコンサルタントを活用することで、経営に対するアドバイスや歯科衛生士や歯科助手に対する教育、採用活動などをサポートしてくれます。

第三者が介入し、客観的な立場からチェックしてもらうことで、やるべきことが明確になり、負担も軽減されます。

仕事を詰めこまずに休む時は休む

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しんどいと感じる状態は少なくとも休養が必要な状態です。仕事がいっぱい詰め込まれている場合には、余裕のある日程を組んだ上でしっかりと休みを取ることが求められます。

歯科医師が余裕のある日程を組むためには、組織化を図ることや最新ツールの利用など業務効率化につながる施策をいくつも重ねていくことが必要です。

歯科医師がしんどいと感じて辞めたくなった時の解決法

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しんどいと感じるだけでなく、歯科医師を辞めたいと感じてしまったらどのように解決していけばいいのか、本項目ではその方法をまとめました。

なぜ辞めたいのかを紙に書き出してみる

歯科医師がしんどいと感じて辞めたくなった際には、なぜ辞めたいのかを紙に書き出してみることがおすすめです。どのようなことにしんどいと感じるのかを書き出してみることで、しんどいと感じることが自らの力で改善できることなのか、自分ではどうにもならないことなのかがわかります。

また、書き出してみることでしんどい気持ちがアウトプットされるため、多少でも気分が落ち着きます。その上で今後のことを検討していきましょう。

家族や友人に相談する

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歯科医師を辞めたいと思った時には、家族や友人に相談するのも1つの手です。聞き手になってもらい、なぜしんどいと感じるのかを聞いてもらうことで気持ちを落ち着けられるほか、歯科医師でない立場からの意見を聞けます。

また、率直な思いを相手から伝えてもらい、それが励みになることもあります。周辺に相談ができる人がいれば、積極的に相談するのがおすすめです。

働き方を変えてみる

勤務医として働いている歯科医師の場合、勤務医ではない形で働く手もあります。フリーランスとして働くことで、人間関係に苦しめられることなく、淡々と歯科医師としての仕事を全うできます。

自分なりの経営方針で歯科医院を経営したい場合には開業医を目指し始めるのもおすすめです。自分に合った働き方を模索していくことも、辞めたいと思った時にできることです。

歯科医師がしんどいと感じないケース

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歯科医師全員がしんどいと感じるわけではなく、中にはしんどさを感じない歯科医師もいます。例えば、歯科衛生士や歯科助手とのコミュニケーションが円滑な場合には、周囲に支えられる機会も多くなり、目の前の仕事に集中しやすくなるでしょう。信頼できるスタッフが周囲にいるだけで、仕事の負担はかなり軽減されます。

また、最新のツールを導入して業務の効率化を図っているケースや、最新技術や器具を導入して治療を行っているケースなども負担の軽減や収益力のアップにつながるため、結果が出やすく、前向きな気持ちになりやすいでしょう。

歯科医師よりも歯科衛生士や歯科助手の方がしんどい?

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歯科医師には歯科医師の苦労がありますが、歯科衛生士や歯科助手もそれぞれの職種ならではの苦労があり、同じようにしんどいと感じています。歯科衛生士や歯科助手は歯科医師からの指示で動くことも多く、治療のサポートを行うことも少なくありません。その中でしんどいと感じる局面が出てきます。

どちらがしんどいかはあくまでも個人差があるため、一概には言えません。しかし、それぞれの職種においてしんどいと感じることは当然あるため、歯科衛生士や歯科助手と接する際には一定の配慮を行うと、円滑なコミュニケーションにつながりやすくなるでしょう。

しんどいと感じたら無理せず休むのが手

ここまでしんどいと感じた場合の対処法を紹介してきましたが、限界を迎えそうだと感じたらすぐさま心療内科や精神科で診察を受けた上で、休むことをおすすめします。限界を迎えてしまうと、回復するのに時間がかかってしまい、退職など早まった判断をしがちです。

歯科医師の中にはうつ病になり、数年間働けなくなった人もいます。モンスターペイシェントと呼ばれ、患者がクレーマーとなり、精神的に追い詰めてくるケースもあるため、働き方を変えるケースもあります。

しんどいと感じたら、心療内科や精神科で診察を受けてすぐに休んで治療に専念し、復活したら今までと違う働き方を模索するのがおすすめです。

まとめ

歯科医師の仕事はハードであるほか、研修医の時からしんどいと感じていた人もいるのではないでしょうか。しんどい場面には乗り越えなければならない試練も含まれるため、まずは一生懸命取り組むのも大切です。その中で、あの手この手を使ってもどうにもならず、どんどん苦しくなっていく場合には、周囲への相談が求められます。

そして、これ以上は限界かもしれないと思ったら一旦まとまった休みをとって、距離を置いた上で改めて向き合ってみるなどの対策をとっていきましょう。

Writer

高橋 翔太

医療法人社団しん治歯科医院 COO 兼 事務長
日本で唯一のストック型歯科医院専門コンサルタント兼歯科医院の経営者