歯科衛生士になった方の多くは、歯科衛生士になりたくてなった人です。一方で、歯科衛生士にならなきゃよかったと後悔している人もいます。なぜ歯科衛生士にならなきゃよかったと感じるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、歯科衛生士にならなきゃよかったと感じる理由を中心に、歯科衛生士ならではの悩みや後悔しないポイントなどを解説していきます。
目次
歯科衛生士にならなきゃよかったと感じるのはなぜか
歯科衛生士がどんな場面において「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じるのか、その理由を解説します。
職場環境の問題
歯科衛生士の仕事は、男性の歯科医師以外、ほとんどが女性であり、女性の歯科衛生士と歯科助手がいるような状況です。すると、女性同士の人間関係において苦戦するケースや、男性の歯科医師との関係性においてうまくいかないケースが出てきます。
特に治療のアシスタント時には歯科医師から手際などで指摘を受け、診療が終わってから厳しく叱責されるなど相性の問題から歯科衛生士になったことを後悔するケースも少なからず存在します。
労働条件の問題
歯科衛生士という仕事は労働条件において比較的激務になりにくい仕事ではありますが、基本的に立って仕事を行うことが多く、きつい状況で仕事をすることになります。
そのため、労働環境的に若干厳しさがある中で仕事をするため、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じやすくなるでしょう。
性格の不一致
「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じる部分に、性格の不一致があります。性格の不一致は人間関係において用いられるものです。この場合は、歯科衛生士に求められる性格とその人が持つ性格が合わないことを表現しています。
歯科衛生士は患者や歯科医師に限らず誰ともコミュニケーションがとれるようにしなければならず、細かなところまで作業を行う必要があります。大雑把な性格だとなかなか務まらない部分があるでしょう。
歯科衛生士になる段階である程度わかっていることですが、実際やってみて改めて痛感することも多く、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じるに至る要素と言えます。
歯科衛生士にならなきゃよかったと思いたくなるよくある悩み
「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思いたくなるような悩みがいくつか存在します。ここからは、歯科衛生士ならではのよくある悩みについて解説します。
給料の悩み
歯科衛生士は一応国家資格であるため、一定の年収は確保されやすいと言えます。しかし、勤務時間中は多忙なことが多く、重要な仕事ばかりなのに、その割に給料は安いと感じてしまう人も少なくありません。
給料面において、「他業種と比べて安いかもしれない」、「大変な思いをしているのにこれしかもらえないのか」と思い始めると、最終的には「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思いやすくなるのです。
人間関係の悩み
歯科衛生士の男女比は99対1で圧倒的に女性の方が多いことからも明らかなように、歯科医院は圧倒的に女性が多い職場と言えます。女性が多い職場では人間関係の悩みがどうしても出てしまうものです。
些細なことでいがみ合いが起こり、仕事面において対立が生じることがあります。結果的に仕事に対して痛烈な批判をされるようになり、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と瞬間的に思うことは十分にあり得るのです。
将来性に関する悩み
虫歯や歯周病などがある限り、歯科衛生士の仕事がなくなることはありません。しかも、AIに取って代わる可能性が非常に低い仕事なので、本来は将来性に関して悩むことはないと思う人が多いです。
しかし、歯科衛生士の仕事は常に同じ仕事の繰り返しであり、どのようにキャリアを高めていけばいいのかわからないと感じる人もいます。将来的に同じような仕事をし続けなければならないのかと感じてしまう人が、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じるようになるのです。
歯科衛生士にならなきゃよかったと後悔しないためのポイント
ここからは、歯科衛生士になったことを後悔しないようにするためのポイントについてまとめていきます。
歯科衛生士の学校に入る前に歯科衛生士の仕事をできる限り理解する
歯科衛生士になったことへの後悔は、結局のところ、歯科衛生士のやりがいなどを理解し切れていないことが背景にあります。やってみて難しいと思うことはあれど、「この仕事とはこういうものだ」というのが理解できていれば、瞬間的に「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思うことはあっても、あくまでも瞬間的なものにとどまります。
歯科衛生士の学校に入る前に、歯科衛生士の仕事を最大限理解するようにすれば、覚悟を持って学校に入ることができ、一生懸命仕事をしていきたいという気持ちが強くなるはずです。
歯科衛生士が行えるキャリアアップのケースを知る
歯科衛生士にはいくらでもキャリアアップの方法があります。認定歯科衛生士のように、特定の分野に特化した歯科衛生士になれば、確かなスキルがあることが証明され、重宝されやすくなるでしょう。
キャリアアップの方法はいくつもあるので、その方法を理解して努力を重ねていけば、少なくとも将来性がないと嘆くことや給料が少ないと不安になることを防げます。
歯科医院以外の職場があることを知る
歯科衛生士は歯科医院だけが職場ではありません。例えば、保健所などの行政機関や介護施設などもあります。これらの職場は給料面よりも仕事のやりがいを感じやすい部分があり、歯科衛生士としての仕事を全うしやすくなるでしょう。
歯科医院以外にも働く場所はたくさんあるので、歯科衛生士としてのやりがいを見出したい場合にどんな場所で働けるのかを考えておくのがおすすめです。すると、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と後悔することが少なくなります。
歯科衛生士にならなきゃよかったと思ってからの選択肢について
万が一、「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思ってしまった場合、その後にとれる選択肢はある程度限られます。一番確実なのは医療事務です。歯科衛生士は歯科医院の受付をこなす場合があり、医療事務の仕事を行うことがあります。歯科衛生士から転職する場合に馴染みやすいのは医療事務です。
一方で、歯科衛生士に求められるコミュニケーション能力を最大限に活用する場合におすすめなのが保育士です。歯科医院には子供がやってくることが多く、自然と子供に対する対応がうまくなることがあります。保育士と歯科衛生士の資格を持っていれば、歯磨き指導なども丁寧に行えるなど、かなり重宝される人材となるでしょう。
歯科衛生士にならなきゃよかったと思う気持ちは本心か
「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思ったことがある方は多いかもしれませんが、その気持ちは本心なのか、本当のところを解説します。
怒られて一時的に自信を失った可能性
歯科衛生士に限らず、今やっている仕事に対して「やらなきゃよかった」と感じることがあります。そのように感じるケースで多く見られるのが、上司やお客さんなどから怒られたケースです。奮起を促す意味合いで「嫌なら辞めろ」、「お前はこの仕事に向いていない」などと言われた人も多いはずです。
厳しい言葉はあくまでも期待の裏返しであり、言われた側も薄々は感じています。でも、厳しい言葉で叱責されれば、防衛本能として「歯科衛生士にならなきゃよかった」と感じてしまうのは無理もありません。
ですので、怒られたショックが段々と抜けていく中で、次第に「歯科衛生士にならなきゃよかった」という思いは薄くなっていきます。
周囲の友人の状況を見て後悔した可能性
歯科衛生士の年収は飛びぬけて高いわけではないので、同年代と給料面で比較した際に、周囲の友人の方が多く稼げている可能性は十分に考えられます。すると、別の仕事をすればよかったと給料面だけで判断して後悔してしまうことは十分にあるでしょう。
一方で、「隣の芝生は青い」という考え方があるように、冷静に分析できないために「歯科衛生士にならなきゃよかった」と後悔してしまうこともあります。冷静に周囲の友人の状況と比較していくと、「そこまで卑下する必要はなかった」と感じることでしょう。
歯科衛生士にならなきゃよかったと思わないケースも多くある
歯科衛生士の仕事はやりがいがあり、歯科衛生士ならではの仕事は少なくありません。また、歯科衛生士は国家資格であるため、一生涯にわたって利用し続けられるのも特徴的です。一旦出産・育児を理由に退職しても、落ち着いたら再度、歯科衛生士の仕事を始めることができ、しかも、一定以上の待遇に期待が持てます。
診療時間が深夜にならない限り、一般的には公務員の就業時間とさほど変わらないタイムスケジュールで働けるほか、給料面でもサラリーマンの平均年収を多少上回る程度には稼ぎやすくなります。
やりがいも多く、患者さんから感謝されることも珍しくありません。歯科衛生士になった方のほとんどは心の底から後悔することはなく、歯科衛生士になってよかったと思うはずです。
まとめ
「歯科衛生士にならなきゃよかった」と一時的に後悔した経験を持つ方が多いのではないでしょうか。一方で心の底から歯科衛生士になったことを後悔し、歯科衛生士だったことを全否定する人は決して多くはありません。
歯科衛生士の仕事はそれだけやりがいがあり、人から感謝されやすい仕事で、AIに取って代わる可能性が低いと言えます。「歯科衛生士にならなきゃよかった」と思ったのは、仕事中に怒られたなどの状況があったからで、冷静に振り返ると歯科衛生士になってよかったと感じる方が多いです。少しネガティブになった場合は冷静な対応が求められます。
