歯科医院で治療を受ける際には、治療台に座り、リクライニングが倒されて治療を受けることになります。この診療台とその周りの機材をあわせてユニットといいます。ユニットにはさまざまな機能がありますが、どのような機能があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では歯科で使用するユニットを中心に、ユニットの構成や歴史、選び方、購入のポイントなどを解説していきます。

目次
歯科で使用するユニットとは

まずは歯科で使用するユニットについて、基本的な情報を解説していきます。
ユニットの概要
歯科医院で用いられるユニットは複数の機能で構成されています。患者が座るのは「治療用チェア」で、この周りには治療で用いる治療器具や治療に欠かせない機能が備わっています。いわば病院の手術台的な要素をコンパクトにまとめた仕様となっており、操作方法はメーカによってさほど変わりません。
大昔は歯科医師が立って治療を行うケースがありましたが、今は座って行えるようになっています。
歯科のユニットの構成

本項目では、歯科のユニットにおける構成を解説していきます。歯科用ユニットは多岐にわたるため、代表的なものをまとめました。
治療用チェア
治療用チェアは文字通り患者の治療を行うために存在するイスであり、治療のしやすさなどが求められます。治療しやすいよう、位置も細かく調整できるようにしているものが多く、わざわざ患者が動かなくても済むような形になっているものがほとんどです。
治療は長時間に及ぶことも多く、患者自身への負担が生じやすくなるケースもあります。そのため、人間工学に基づいたフォルム・デザインで作られているほか、子供を治療する際、ヘッドレストのところにスピーカーを配置して天井にあるアニメを見せるという仕組みになっているチェアもあります。
ドクターユニット

ドクターユニットは歯科医師が治療の際に用いる器材を取りそろえたユニットです。例えば、口の中に風をふきかける器具「スリーウェイシリンジ」や、聞くだけで鳥肌が立つドリルもドクターユニットの中にあります。
これらの器具が収納されている上のテーブルがワークテーブルとなっており、例えば、詰め物の型をとるための素材を練り合わせていく作業を行う時などに用いられます。
ウォーターユニット
ウォーターユニットは、治療を行った後に患者が口の中をゆすげるように設置されたものです。イスに座った状態で口をゆすげるようになっており、センサーで感知し、コップの中の水を一定の量まで入れることができます。
近年はより清潔な水を出せるよう、ウォーターユニット等に用いられる除菌装置も登場しています。電解中性機能水という水を作り出し、配管内の細菌繁殖を抑えられます。
歯科で使用するユニットの歴史

歯科医院で用いられるユニットの歴史は意外にも古く、海外では1870年代には既に歯科用足踏みエンジンなどが存在していたと言われています。そして、1900年代に入ると、アメリカで歯科用ユニットの原型が登場し、エアーコンプレッサーなどの機能がついていました。
アメリカを中心に進化してきた歯科用ユニットの歴史にあって、日本でも存在感を見せ始めたのは1950年代の後半で、業界初となるモーターチェアの導入が行われました。1970年代になると今の歯科医院で見るのとさほど変わらないような歯科用ユニットが登場し、見た目の良さや座り心地などを考慮したものが出回るようになります。
人間工学に基づいたデザインが取り入れられていくのは1980年代で、現在多くの歯科医院で見られる環境は1980年代には既に整備されていったと言えます。当初は「治療さえ行えればいい」という状態でしたが、戦後急速に歯科用ユニットが進化していったと言えるでしょう。
歯科のユニットの選び方

ここからは歯科のユニットの選び方について解説していきます。
ユニットの大きさ
歯科医院によっては雑居ビルの中にあるケースもあれば、戸建てでしっかりとした広さを確保しているケースもあります。それぞれのケースに見合うような大きさのユニットを選ぶことが大切です。
そのため、物件探しとユニット探しを並行して行い、内装工事の際に配置を考えていくことも行われます。また、患者や歯科医師や歯科衛生士、歯科助手の動線なども考えなくてはならないため、機能よりもまず大きさを意識するケースが目立ちます。
ユニットのデザイン

歯科医院の内装は、院長の意向が反映されやすく、ゆったりとした雰囲気か、子供にも利用してもらいやすい雰囲気かなど、内装面でこだわる方も少なくありません。その内装にあって、大きな影響を与えるのがユニットのデザインです。
近年はよりおしゃれなデザインをしたユニットも増えており、バリエーションは豊富になっています。患者に緊張感を与えないようなデザインのユニットなども出てきており、歯科医院に対する怖いイメージを少しでも払拭できるようなものも珍しくありません。
ユニットが持つ機能
ユニット選びの大前提は、何と言ってもユニットが持つ機能です。治療しやすいユニットにするために機能を選んでいくことが重要となります。あまりにも高機能高性能なものであっても、使いこなせなければ意味がなく、広さにも限界がある分、ユニットに詰め込める機能も無尽蔵とはなりません。
一方で、追加が可能な機能などもユニットの中にはあるので、最初のうちは必要なものを搭載し、後から追加していくやり方もおすすめです。
歯科で用いるユニットの購入ポイント

本項目では、歯科医院で用いるユニットの購入ポイントについて解説していきます。
歯科医師が扱いやすいか
歯科医院のユニットは歯科医師や歯科衛生士にとって多くの時間を割く場所であり、できれば快適性が高い状態であることが望ましいと言えます。
扱いやすいユニットであることが重要であり、歯科医師や歯科衛生士が単独で操作するケースや共同で治療を行うケース、いずれにおいても扱いやすいかどうかが大切です。
安心安全なユニットか

安心安全という観点もユニット選びでは大事です。歯科医院で用いられるユニットは水を使う分、清潔面の課題が出やすいのが特徴です。そのため、水回りの汚れに対する配慮がなされたユニットを選ぶのも1つの手と言えます。
歯科用ユニットでは、飲料水レベルの水を用い続けることが求められますが、場合によってはそれが難しいケースもあります。この場合は歯科医院側で飲料水レベルの水を確保し続けなければならず、そこまで考慮したユニットえらびが求められるのです。
きれいな水を使って治療を行うことは患者にとっての安心安全につながります。また治療に用いた排水を安全に流していくことも大事であり、それぞれに配慮した機能かどうかもユニット選びでは欠かせないポイントとなるでしょう。
患者が快適か
元々歯科医院に対し、患者のほとんどは恐怖心を持ち、治療に対する痛みに対してかなりの緊張感を持っています。加えて、一定時間同じ場所に居続けるため、普通の硬いイスでは座り続けるのも苦痛です。また、高齢者や子供など老若男女が利用する場所だからこそ、誰でも快適に利用できることも重要です。
最近のユニットはリラクゼーションシートを採用し、体圧を分散してくれるようなシートがあるなど、疲れを残さないような仕様のものも出ています。着席する場合や立ち上がる場合にも、危険性が少ない形で行動を起こせるようなものも多く、患者の快適性にも配慮されたユニットを選ぶことが求められます。
歯科で用いるユニットに関する各メーカーの特徴や価格

最後にユニットに関するメーカーの特徴などをまとめました。
ヨシダ
100年以上の歴史を誇るヨシダは、歯科用ユニットの最老舗のメーカーです。ユニットtypeCは組み合わせ次第で1,000種類以上と歯科医院のニーズに合わせて組み立てていけるのが特徴と言えます。
老舗メーカーとしての信頼と実績が豊富であるとともに、歯科医院のニーズをしっかりとキャッチして作られたユニットの数々が魅力です。最長保証期間が10年ということも相まって、安心と信頼のメーカーであることは間違いありません。
タカラベルモンド

タカラベルモンドは美容関係も手掛けているメーカーであり、デザイン面においておしゃれさが際立つユニットを多く手がけています。もちろん、歯科医師や歯科衛生士が利用しやすいようなユニットも心がけており、おしゃれさと機能性を両立させたようなユニットも目立つのが特徴です。
その代表例であるCIERTOは、見た目のスタイリッシュさのほか、ユニットの色だけで30色近いバリエーションがあるため、内装を考える際にトータルコーディネートがしやすいユニットと言えます。
モリタ

モリタは、1916年創業の長い歴史を持つ企業です。高品質な製品を提供し、使いやすさと機能性を兼ね備えたデザインが特徴です。特に、シンプルで洗練されたデザインと優れた操作性により、歯科医療現場での効率を最大限に高めることができます。また、モリタの歯科ユニットは、人間工学に基づいた独自の設計で、治療中の患者の快適性にも配慮されている製品もあります。
モリタの製品は、治療中の患者の快適性に重きを置く多くの歯科医院に支持されています。
ジーシー
日本に自社工場を構え、国産を意識して生産しているジーシーは、ユニットも和風を意識したものがあります。カラーは少ないものの、色合いが抹茶や真珠など、他のメーカーのユニットにはないようなカラーを用意しています。
もちろん、機能性も充実し、使い勝手がよく、居心地のいいようなユニットも少なくありません。上品なユニットを手に入れたい歯科医院におすすめです。
まとめ
本記事を読むまで、歯科で使用するユニットはどれも同じであると考えていた方もいるのではないでしょうか。しかし、実際には歯科で使用するユニットはどれも同じではありません。患者にとっても歯科医院にとっても、歯科ユニットはとても重要な装置なのです。
機能や費用面、内装との統一感など、頭を悩ませるポイントがたくさんありますが、歯科医師はその中でベストのチョイスを行っていきましょう。

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